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鬼とは 

 鬼という言葉を聞いてみなさんはどのようなものを想像するだろうか。
角の生えた頭。目は爛々と輝き、大きく裂けた口に尖った牙。赤や青や黒の巨躯に、金棒、虎の皮の腰巻を身に纏った昔話に出てくるような姿だと思う。
 本来の鬼というものは果たしてどのようなものだろう。本来ならば専門的な書物を紐解くべきだろうが、ここでは小学館の『国語大辞典』からあたってみることにする。
 『国語大辞典』の鬼の意味によると、1 (「隠(おん)」が変化したもので隠れて人に見えないものの意という)死者の霊魂。精霊。2 人にたたりをすると信じられていた無形の幽魂など。もののけ。幽鬼。3 想像上の怪物。仏教の羅卒(らそつ)と混同され、餓鬼、地獄の青鬼、赤鬼、などになり、また、美男美女となって人間世界に現れたりする。また、陰陽道の影響で、人間の姿をとり、口は耳まで裂け、鋭い牙を持ち、頭に牛の角があり、裸に虎の褌をしめ、怪力をもち性質が荒々しいものとされた。夜叉(やしゃ)。羅刹(らせつ)。(注1)
 このことによると、もともと鬼とは姿の見えないものを意味することになる。さらに、私たちがイメージする鬼とは陰陽道の影響を多大に受けているということだ。
 では、姿の見えないものとは具体的にどのようなものを指すのだろうか。次回は「見えないモノ」という点に触れて、鬼について考えていきたいと思う。


1.尚学図書編『国語大辞典』(小学館、1981年12月。「鬼」〈380ページ〉)。
 
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